第14級9号認定（事前認定）・410万円（和解）の解決事例

①後遺障害認定のポイント
事前認定により、頚部～肩の痛み、頭痛について、第14級9号の認定を受けることができました。
実治療日数が100回以上あり多かったことが、認定のポイントであったと考えます。
なお、腰痛については、後遺障害診断書の自覚症状の欄に「起床時の腰痛」と記載されており、「受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの」とは捉え難いとして、認定を受けることはできませんでした。
②過失割合のポイント
被害者に過失がないことについて、特に争いはありませんでした。
③損害額のポイント
（1）治療費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料について
加害者（被告）から、自動車の損傷状況が軽微であること等を理由に事故による受傷自体が争われましたが、医師の診断内容、症状の推移、家事労働の支障等を主張することにより、
（ⅰ）治療費及び通院交通費については、当方の主張通り
（ⅱ）休業損害については、休業割合を5割として、113万8997円
（ⅲ）傷害慰謝料について、100万円
とする和解案を示していただくことができました。
各金額は、素因減額との調整を考慮した内容であったと考えます。
（2）逸失利益について
加害者（被告）から、自動車の損傷状況が軽微であること等を理由に後遺障害の認定等が争われましたが、逸失利益について、基礎収入を賃金センサス（女性・学歴計・全年齢）、労働能力喪失率を5％、労働能力喪失期間を5年の和解案を提示していただくことができました。
（ⅰ）自賠責保険により第14級9号の認定を受けていたこと
（ⅱ）認定手続が加害者の任意保険会社による事前認定であったこと
等がポイントであったと考えます。
（3）素因減額について
2割の素因減額を内容とする和解案が示されました。
（ⅰ）自動車の損傷状況が軽微であったこと
（ⅱ）本件事故の前に受傷した交通事故があったこと
（ⅲ）提示された金額との兼ね合い
等がポイントであったと考えます。