第7級4号(事前認定)、7500万円(和解)の解決事例
・裁判において、第7級4号(頭部外傷後の神経系統の機能または精神の障害)の後遺障害の逸失利益について、基礎収入を賃金センサス(男性・大学卒・全年齢)、労働能力喪失率を56%、労働能力喪失期間を40年とする案が提示され、和解が成立した件
・裁判において、第7級4号(頭部外傷後の神経系統の機能または精神の障害)の後遺障害慰謝料について、1000万円とする和解案が提示され、和解が成立した件
・裁判において、被告(相手方)から既往症による素因減額の主張がされましたが、素因減額について考慮しないとの和解案が提示され、和解が成立した件
- 自転車と四輪車・単車との事故
- 第7級
- 高次脳機能障害
- 神経系統の機能又は精神
- 被害者
- 20代男性
- 当事者の車種など
- 普通乗用自動車 対 自転車
- 主な傷病名
- 高次脳機能障害等
- 後遺障害等級
- 第7級4号
- 弁護士特約
- あり
- 解決方法
- 裁判上の和解
後遺障害の認定手続き
弁護士依頼前の事前認定
第7級4号(神経系統の機能または精神の障害)
会社員の20代男性が、交差点において自転車に乗って青信号で横断歩道を通行中に、左後方から右折した普通乗用自動車に側面衝突される交通事故に遭い、第7級4号の事前認定を受けた上で、保険会社から賠償金額の提示を受けましたが、提示金額が低額であったため、裁判(損害賠償請求)を当事務所に依頼されました。
裁判上の和解により解決しました。
| 当初の 提示金額 |
解決金額(和解案) | ||
|---|---|---|---|
| 人的 損害 |
治療費 | 273万3834円 | 273万5934円 |
| 入院雑費 | 10万6700円 | 14万5500円 | |
| 臨時費用 | 5万6390円 | 0円 | |
| 交通費 | 3万9414円 | 3万9414円 | |
| 装具代 | 7万9200円 | 7万9200円 | |
| 休業損害 | 214万6691円 | 211万0759円 | |
| 傷害慰謝料 | 157万8396円 | 206万円 | |
| 逸失利益 | 3939万9491円 | 6378万1925円 | |
| 後遺障害慰謝料 | 500万円 | 1000万円 | |
| 旅行キャンセル費用 | 0円 | 4万4280円 | |
| 小計 |
5114万0116円
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8099万7012円
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| 過失相殺 | 10% | 10% | |
| 既払金(任意保険) | -501万2054円 | -501万1834円 | |
| 調整金 | 0円 | 711万4523円 | |
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4101万4050円
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7500万円
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①後遺障害認定のポイント
依頼を受ける前に認定を受けておられましたが、
(1)高次脳機能障害の診断を受けていたこと
(2)本件事故に起因する脳損傷が認められたこと
(3)脳挫傷痕の残存や脳室拡大の進行が認められたこと
(4)重度~軽度の認知・情緒・行動障害が認められたこと
が第7級4号の認定のポイントであったと考えます。
②過失割合のポイント
被害者の過失が10%であることに特に争いはありませんでした。
③損害額のポイント
(1)逸失利益について
事故前の収入は平均賃金より低額でしたが、裁判所から、基礎収入を賃金センサス(男性・大学卒・全年齢)、労働能力喪失率を56%、労働能力喪失期間を40年とする案(6378万1925円)を提示していただくことができました。
(ⅰ)年齢が若いこと
(ⅱ)本件事故の約4か月前に大学を卒業したこと
(ⅲ)今後稼働を続けた場合には定期昇給等による年収増加が予想されること
(ⅳ)脳挫傷痕の残存や脳室拡大の進行が認められ、器質的な原因が判明していること
がポイントであると考えます。
(2)素因減額について
後遺障害診断書の既存障害の欄に「適応障害」等の記載されており、被告(加害者側)から相応の素因減額がなされるべきであるとの主張がされましたが、裁判所から、素因減額を考慮しないとの案を提示していただくことができました。
(ⅰ)自賠責保険の事前認定において、将来においても回復が困難と見込まれる身体的なき損状態であったものとは認められないと判断されていたこと
(ⅱ)時に抑うつ的となる程度の症状であったこと
が素因減額されなかったポイントであると考えます。