第12級6号(被害者請求)・1450万円(和解)の解決事例
・事前認定により第14級9号の後遺障害認定を受けた後、被害者請求の異議により、第12級6号(右手舟状骨骨折後の右手関節の機能障害及び通常派生する関係にある右手関節痛)の認定を受けた件
・異議により第12級6号(右手舟状骨骨折後の右手関節の機能障害及び通常派生する関係にある右手関節痛)の認定を受けた交通事故について、裁判において、和解が成立した件
・第12級6号の後遺障害認定を受けた件の逸失利益について、裁判において、基礎収入を賃金センサス(男性・学歴計・全年齢)、労働能力喪失率を14%、労働能力喪失期間を35年とする案が提示され、和解が成立した件
- 四輪車同士の事故
- 第12級
- 機能障害
- 疼痛等感覚障害
- 上肢(上肢及び手指)
- 神経系統の機能又は精神
- 被害者
- 30代男性
- 当事者の車種など
- 普通乗用自動車 対 普通乗用自動車
- 主な傷病名
- 右手舟状骨骨折等
- 後遺障害等級
- 第12級6号
- 弁護士特約
- あり
- 解決方法
- 裁判上の和解
後遺障害の認定手続き
弁護士依頼後の事前認定
第14級9号(右手関節痛)
弁護士依頼後の被害者請求
第12級6号(右手関節の機能障害及び通常派生する関係にある右手関節痛)
会社員の30代男性が、車を運転して青信号で交差点を直進したところ、対向方向から右折をしようとした車に側面衝突される交通事故に遭い、弁護士費用特約を使うことができたため、後遺障害の認定サポートを含む損害賠償請求を当事務所に依頼されました。
①後遺障害の認定について、事前認定により、第14級9号の後遺障害認定を受けました。
②医師と面談した上、被害者請求により、新たに診断書を提出した上で異議申立を行い、第12級6号の後遺障害認定を受けることができました。
③異議申立による後遺障害の認定後、示談交渉を行ったものの、過失割合及び損害額について双方の主張に大きな隔たりがあったため、裁判を提起し、裁判上の和解により解決しました。なお、物的損害については、所有者(被害者の妻)から依頼を受けて、裁判を提起し、裁判上の和解により解決しています。
当初の 提示金額 |
解決金額(和解案) | ||
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人的 損害 |
治療費 | 155万6028円 | 155万8828円 |
入院雑費 | 3000円 | 3000円 | |
通院交通費 | 7010円 | 2万9205円 | |
休業損害 | 0円 | 11万7611円 | |
傷害慰謝料 | 147万6000円 | 155万円 | |
逸失利益 | 281万0179円 | 1259万4914円 | |
後遺障害慰謝料 | 275万円 | 290万円 | |
後遺障害診断書代 | 0円 | 1万1880円 | |
画像診断等 | 0円 | 7890円 | |
印鑑証明代 | 0円 | 300円 | |
小計 |
860万2217円
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1877万3628円
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過失相殺 | 20% | 10% | |
既払金(任意保険) | -155万6028円 | -155万6028円 | |
既払金(自賠責) | -0円 | -224万円 | |
和解調整金 | 139万9763円 | ||
532万5746円
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1450万円
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①後遺障害認定のポイント
骨折状況等を勘案すれば、本件事故によって後遺障害診断書に記載されているような高度の可動域制限を生じるものとは捉え難いとして、第14級9号の認定(事前認定)を受けましたが、医師と面談を行い、診断書を追加した上で、異議(被害者請求)の申立を行い、第12級6号の認定を受けました。
(1)追加の診断書を提出したこと
(2)機能障害について、右手舟状骨骨折及びこれに対する手術等の治療に伴う拘縮と捉えられたこと
等が第12級6号の認定のポイントであったと考えます。
②過失割合のポイント
10%の過失相殺をする和解案が示されました。
直進車・右折車ともに交差点を青信号で進入した事案であり、判例タイムズ38図【107】(基本20対80)を参照する事案でしたが、
(1)ドライブレコーダーを提出したこと
(2)右折車の合図が明確に撮影されておらず、速度が速かったと認められたこと
等がポイントであったと考えます。
③損害額のポイント
逸失利益について、基礎収入を賃金センサス(男性・学歴計・全年齢)、労働能力喪失率を14%、労働能力喪失期間を35年とする和解案を示していただくことができました。
(1)事故の前年の年齢は、29歳であり、若年者であると認められること
(2)事故の年の年収は、賃金センサスと大差がない金額であること
(3)後遺障害の内容が機能障害であり、器質的変化によることが明確であり、労働能力喪失期間を制限する理由がないこと
等がポイントであったと考えます。
