加害者の代理人弁護士から治療費の支払を打ち切られた件
・加害者の代理人弁護士が、治療費について一括対応を中止(支払を打ち切り)した件
・被害者請求により、治療費(治療費、診断書作成料、診療報酬明細書作成料)の支払を受けた件
・被害者請求により、併合第14級(頚部挫傷後の頚部痛について第14級9号、腰部挫傷後の腰痛について第14級9号)の後遺障害認定を受けた件
・裁判において、信号のない交差点における自転車と自動車の出合い頭の事故について、被告(相手方)から15%の過失相殺の主張がされたが、10%の過失相殺とする和解案が提示され、和解が成立した件
- 自転車と四輪車・単車との事故
- 第14級
- 疼痛等感覚障害
- 神経系統の機能又は精神
- 被害者
- 40代男性
- 当事者の車種など
- 普通乗用自動車 対 自転車
- 主な傷病名
- 頚部挫傷、腰部挫傷、両膝挫傷等
- 後遺障害等級
- 併合第14級
- 弁護士特約
- あり
- 解決方法
- 裁判上の和解
後遺障害の認定手続き
弁護士依頼後の被害者請求
第14級9号(頚部痛)
第14級9号(腰痛)
運送業を営む40代男性が、自転車に乗って信号のない交差点の横断歩道を横断したところ、右方から左折しようとして交差点に進入した自動車と出合い頭衝突した交通事故に遭い、弁護士費用特約を利用して、後遺障害認定のサポートを含む損害賠償請求を当事務所に依頼されました。
①被害者請求により、傷害部分については治療費(治療費、診断書作成料、診療報酬明細書作成料)の支払を受け、後遺障害の認定については、併合第14級(第14級9号+第14級9号)の後遺障害認定を受けることができました。
②後遺障害の認定後、示談交渉を行ったものの、過失割合及び損害額について双方の主張に大きな隔たりがあったため、裁判を提起し、裁判上の和解により解決しました。
| 当初の 提示金額 |
解決金額(和解案) | ||
|---|---|---|---|
| 人的 損害 |
治療費 | 71万2775円 | 75万5975円 |
| 通院交通費 | 1万3770円 | 6万9918円 | |
| 装具代 | 6万8322円 | 6万8322円 | |
| 休業損害 | 0円 | 61万1149円 | |
| 傷害慰謝料 | 61万円 | 90万円 | |
| 逸失利益 | 53万5688円 | 53万5687円 | |
| 後遺障害慰謝料 | 90万円 | 110万円 | |
| 後遺障害診断書代 | 1万円 | 1万円 | |
| 印鑑証明書代 | 0円 | 300円 | |
| 小計 |
285万0555円
|
405万1351円
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| 過失相殺 | 15% | 10% | |
| 既払金(任意保険) | -76万5437円 | -76万5437円 | |
| 既払金(自賠責) | -79万3200円 | -79万3200円 | |
| 和解調整金 | 0円 | 16万2421円 | |
|
86万4335円
|
225万円
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①一括対応終了後の治療費のポイント
被害者(原告)の主張通り、75万5975円の治療費を認める提示を受けることができました。
(1)自転車に乗っていた際の事故であり、頚部及び腰部に多大な衝撃を受けた事故状況であったこと
(2)主治医の診察内容(自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書の症状固定日の記載内容)
が重要なポイントであったと考えます。
なお、主治医から症状固定と診断されるまでの期間、第三者行為の届出をした上で、健康保険による治療を受けました。
②後遺障害認定のポイント
被害者請求により、併合第14級(頚部挫傷後の頚部痛について第14級9号、腰部挫傷後の腰痛について第14級9号)の後遺障害認定を受けることができました。
治療費の支払を中止された後も自費(健康保険)で通院を継続したことにより結果的に通院期間及び回数が多くなったこと等が、併合第14級が認定されたポイントであったと考えます。
③過失割合のポイント
加害者(被告)からは、過失相殺について、徐行義務違反及び右側通行であること等を理由に15%であるとの主張がされましたが、過失相殺を10%とする和解案を提示していただくことができました。
(1)自転車が優先道路を走行していたこと
(2)自転車の走行していた歩道が自転車歩道通行可の歩道であったこと
(3)衝突場所が横断歩道上であったこと
等が過失相殺を10%と判断されたポイントであったと考えます。
④損害額のポイント
(1)治療費について
被害者(原告)の主張通り、75万5975円の治療費を認める提示を受けることができました。
前述の通り、自転車に乗っていた際の事故であり、頚部及び腰部に多大な衝撃を受けた事故状況であったこと、主治医の診察内容(後遺障害診断書の症状固定日の記載内容)が認定のポイントであったと考えます。
(2)傷害慰謝料について
相手の代理人弁護士は、事故から約5か月後に治療費の支払を中止しましたが、裁判所からの和解案として、90万円の提示を受けることができました。
自転車と車の事故であるという事故状況、症状の推移に加え、主治医の症状固定に関する診断内容等がポイントであったと考えます。
(3)逸失利益について
逸失利益について、基礎収入を前々年度の所得、労働能力喪失率を5%、労働能力喪失期間を5年の和解案を提示していただくことができました。
前年度より前々年度の所得の方が高額であったこと、後遺障害により運送業の業務遂行上の支障が生じていること等を考慮した内容であったと考えます。