第12級相当(耳鳴り)の解決事例

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耳鳴りの後遺障害(第12級相当)について、労働能力喪失期間を症状固定時(56歳)から10年間とする案が提示され、和解が成立した件

  • 自転車と四輪車・単車との事故
  • 第12級
  • 耳鳴り
  • 耳(内耳等及び耳介)
被害者
50代女性
当事者の車種など
自転車 対 普通乗用自動車
主な傷病名
両耳鳴症、脳震盪、頭部挫創、頭部挫傷、左臀部挫傷、左大腿部挫傷、眩暈症等
後遺障害等級
第12級相当
弁護士特約
なし
解決方法
裁判上の和解
被害者への当初の提示金額
572万8745円
解決金額
1101万2372円
増額分
528万3627

後遺障害の認定手続き

弁護士依頼前の事前認定

第12級相当(耳鳴り)

本件事案の内容

50代の有職主婦である女性が、自宅から職場へ向かう途中、自転車で信号機のある横断歩道を青信号に従って安全に進行していました。しかし、その時、彼女の右方向から、赤信号を無視して速度を上げたまま進行してきた自動車が突如現れ、避ける間もなく衝突事故に巻き込まれてしまいました。この事故により、女性は重傷を負い、医師の診断の結果、後に第12級相当の後遺障害が残ることが確認されました。

事故後、女性は保険会社から示談金の提示を受けましたが、その内容を確認したところ、提示された賠償額には不満が残りました。特に、保険会社側は彼女の労働能力喪失期間をわずか4年と見積もっており、それでは今後の生活に十分な補償が得られないとの懸念が生じました。女性は現役で働き続ける意欲があり、また家庭の中でも重要な役割を果たしていることから、この提示では到底納得できるものではありませんでした。

そのため、女性は事故の損害賠償について法的な見解を求め、当事務所に相談することを決意しました。結果として、当事務所は保険会社の提示内容を精査し、女性の実際の労働能力喪失や将来の収入の減少に対して適正な賠償を求めるべく、損害賠償請求の裁判を提起しました。弁護士は、依頼者の現在の状況や将来的な見通しをしっかりと踏まえ、保険会社側の見積もりの不十分さを法的に立証し、依頼者により有利な条件を引き出すための闘いに臨みました。

解決までの流れ

裁判を提起し、裁判上の和解により解決しました。

賠償額(和解案)の詳細
当初の
提示金額
解決金額(和解案)
人的
損害
治療費 315万9380円 315万9380円
入院雑費 1万7600円 2万4000円
通院交通費 40万9600円 40万9600円
その他治療関係費 1万0418円 1万0418円
休業損害 52万1223円 52万1223円
傷害慰謝料 133万5000円 240万円
逸失利益 213万4904円 388万0812円
後遺障害慰謝料 130万円 290万円
物的
損害
自転車 0円 1万8300円
小計
888万8125円
1332万3733円
過失相殺 0% 0%
既払金 -315万9380円 -315万9380円
和解調整金 0円 84万8019円
賠償額(既払金を除く)
572万8745円
1101万2372円
弁護内容とポイント

もちろん、以下のように内容を膨らませてみました。

①後遺障害認定のポイント
本件では、依頼者が当事務所に相談される前にすでに事前に後遺障害認定を受けており、当事務所はその認定手続き自体のサポートを行っておりませんでした。しかしながら、依頼者の傷病名が「頭部挫創」や「脳震盪」といった重度の頭部への受傷に該当していることから、事故の影響が重大であることは明白です。頭部への受傷は、後遺障害の認定において極めて重要な要素となるため、医療記録や診断書により受傷の事実がしっかりと証明されていることがポイントです。また、こうした頭部の外傷は、後遺障害の重篤さを左右するため、特に慎重な判断が求められる分野であり、裁判でも重要な証拠として取り上げられることが多いです。

②過失割合のポイント
本件事故は、依頼者が青信号に従って安全に直進している際に、右方向から赤信号を無視して突進してきた自動車に衝突されたという、いわゆる「赤信号無視の事故」に該当します。このような事故では、一般的に被害者側に過失が認められることは少なく、本件でも被害者である依頼者に過失が一切ないことは明白でした。特に、交通信号に従った安全運転をしていた依頼者に対し、赤信号を無視して危険な運転をした加害者側に全責任があると認められるため、過失割合は0%、すなわち被害者には全く落ち度がない事案であることが、損害賠償請求において重要なポイントとなります。

③損害額のポイント
本件では、事故によって依頼者が家事労働が十分にできなくなった期間が存在し、その分も損害賠償額に含まれるべきと判断されました。特に家事労働に従事する者にとって、家庭内での役割が重要であり、その負担が軽減されることなく維持されるべきであるとの観点から、傷害慰謝料として240万円が提示されました。この和解案は、家事労働の損失分を適切に考慮したものであり、依頼者にとって非常に有利なものでした。

また、依頼者が職業を持ち、事故後も給与を得ていることも損害額算定の一因となりました。給与収入は依頼者の特別な努力の結果であることを踏まえ、労働能力喪失率は14%、労働能力喪失期間は10年間と見積もられました。さらに、基礎収入についても詳細な検討が行われ、60歳までは依頼者の実際の収入を基礎として計算し、60歳以降は女性の年齢別平均賃金を採用することで、依頼者の将来にわたる損害が適切に評価されました。このようにして、依頼者にとってより良い条件での和解案が提示されることになりました。

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